ぐ、ぐ、ぐ、と突き上げられて目眩がする。 どうにもうまくいかない呼吸に翻弄されて、すがるのも気が引けて身体の両横でシーツを掴んだ。 自分から漏れる変な声と、内側を擦られる快感と、瞼越しに豆球の光。 「せんせ」 たまに与えられるきつい刺激を素直に感じる術をいつまでたっても身につけることが出来なくて、身体が勝手に痙攣する。びくりと反射で縮まる腹筋と、そこと、ああ、わけがわからないだってきもちいいんだ。 「う、あ、ぁ、」 いろいろされて全部きもちいいのだけれど結局俺は遠慮なく奥までいれられるのが好きで、いろんなもので焦れたのを気づいたのか抜き差しが速くなった。 「あぁ!」 このまま終わりまで連れて行ってほしい。あなたも気持ちいいなら。 そんなことを意識の端っこの裏側ぐらいで考えていたら摩擦でぐちゃぐちゃになっているそこに違和感があって、さっきとは違う感触ででも感じるところばかりを掻き回される。 「え、あ!」 目を開けた薄暗がりの中、橙色の光を背負った男の顔は見えなくて、それでも開いた足の間にいるその指が自分に埋められているのがわかってしまう。 乱暴な動きに吐精させられて、ぐちゃぐちゃになっているからしょうがないんだけどいつのまに指入れられたんだろうとかなんでゆびなんだあんたはどうするんだとか思った。 腹に散った精液を拭い取るてのひら、俺を乱した指。 「ごめんなさい、ちょっと」 トイレに消えた姿を見送りもしないで天井を眺める。 快感をゆるゆると逃がす時間は必要だ。 それでも俺よりあの人の方が、汗、かいてたのに。 「いいんですか」 ベッドに帰ってきた男は寝そべって溜め息をひとつついて、それからごめんなさいと言ってキスをくれた。それは別にいいんだが。 「なんか、無理みたいで。ごめんなさい」 「あやまらなくていいですけど」 今日はそっちから手を出してきたくせに。 その言葉は飲み込んで頭を撫ぜてやると擦り寄ってきた。 あぁ、どうせどこかでまたいらない傷を作ってきたに違いないのだ。 吐き出せないならそれでいいけど、できるなら俺でお願いします。 あなたの問題だし。 熱く汗の玉を滑らせていた肩が今は寒そうで、毛布を引き上げてかけてやった。
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